わかりやすい文章の書き方|17の基本ルール・コツを例文付きで解説

自分が書いた文章を読み返したとき、「どうもわかりにくい」「言いたいことが相手に伝わるだろうか」と思ってしまう。

そんな人は、文章を書くことさえ億劫になっているはずです。

この記事では、わかりやすい文章の書き方を例文付きで解説します。

17の基本ルール・コツを例文付きで紹介するので、参考にしてください。

 

良い文章はストレスなく理解できる

良い文章とは、読み手がストレスなく内容を理解できることです。

他人に読んでもらう文章は、読んだ人に正確に伝わってこそ意味があります。

理解しづらく何回も読み返さなければならない文章は、読み手に大きなストレスを与えてしまうでしょう。

文章は、一度でスッと理解できるようにわかりやすく書くことが大切なのです。

 

【アンケート】読みづらいのはどんな文章?

文章を読んで「理解しづらい」と感じたことはありますか?
  • ある…85人(男性45人/女性40人)
  • ない…115人(男性55人/女性60人)

※成人男女200人対象

 

成人男女200人にアンケート調査したところ、文章を読んで「理解しづらい」と感じたことがある人の割合は4割以上にのぼりました。

普段使用している日本語にもかかわらず、半数近くの人が文章を読んで「理解しづらい」と感じたことがあるのは、かなり多い数字といえるのではないでしょうか。

では、読み手はどのような文章を読みづらいと感じるのでしょうか。

 

あなたがストレスを感じる文章は?
  • 何を言いたいのかわからない…55人(男性24人/女性31人)
  • 一文が長い…42人(男性26人/女性16人)
  • 回りくどい…32人(男性14人/女性18人)
  • 専門用語が多い…21人(男性8人/女性13人)
  • あいまいな表現…21人(男性13人/女性8人)
  • 流れがわかりにくい…19人(男性8人/女性11人)
  • テンポが悪い…7人(男性5人/女性2人)
  • 漢字が多い…3人(男性2人/女性1人)
※成人男女200人対象

 

こちらも、成人男女200人にアンケート調査したところ、「何を言いたいのかわからない」が最多の55人でした。

次いで「一文が長い」「回りくどい」といった回答が多く、着地点が不明瞭な文章にストレスを感じる人が多いようです。

良い文章を書くには、思ったことを書き連ねるだけでなく、読み手に意図が伝わるかを意識する必要があるでしょう。

 

【誰でも書ける】わかりやすい文章を書く17の基本ルール&コツ

【誰でも書ける】わかりやすい文章を書く17の基本ルール&コツ

それでは、読む人にストレスを与えない文章を書くための入門編「17の基本ルール&コツ」を紹介します。

ポイントをマスターし、ライティングスキルを上げれば、誰でもわかりやすい文章が書けるようになります!

 

PREP法を使う

文章を書く際、「(理由)だから(結論)」という流れで書く人は多いでしょう。

しかし、結論を先に述べる「結論ファースト」を意識することで、圧倒的に文章がわかりやすくなります。

 

結論ファーストで書くための方法が「PREP法」です。

  • Point(結論)
  • Reason(理由)
  • Example(具体例)
  • Point(結論)

それぞれの頭文字をとって「PREP(プレップ)法」と呼ばれています。

PREP法の場合、

  • はじめに結論を言う
  • なぜならと理由を述べる
  • たとえば~と例を出す
  • 結論を再度言う

このような構成で文章を作ります。

 

「ビジネス文書はPREP法で書くと良い」とアドバイスされたことがある人は多いのではないでしょうか。

PREP法では、抽象的な表現を具体化するのもコツです。

≪例文≫

【修正前】

先月から仕事量の調整や、業務が遅延している人のサポートに取り組んでいます。今では残業せず、全員が定時で帰宅しています。

【修正後】

(結論)今は残業せず、全員が定時で帰宅しています。(なぜなら)先月から仕事量の調整や、業務が遅延している人のサポートに取り組んでいるからです。(たとえば)各グループの上長はメンバーの進捗を1時間ごとに確認し、遅れている人のカバーがすぐできるようにしました。(結論)この取り組みで、残業をなくすことができました。

 

一文を70文字程度にする

一文の文字数は70字程度までを心がけましょう。

詳しく書こうとすると、一文が長くなりがちです。

しかし、長くなるほど複雑化し、本当に伝えたいことがわかりづらくなります。

≪例文≫

【修正前】

4月から新入社員の山田さんがこの部署に来るので、高橋さんの業務を引き継いでもらおうと思っていますが、いつも通り営業活動をしながら新人教育はできますか?

【修正後】

4月から新入社員の山田さんがこの部署に来ます。高橋さんの業務を引き継いでもらう予定です。通常の営業活動をしながら新人教育はできますか?

修正前は75文字です。

だらだらと長い印象ですよね。

修正後のように、ひとつの文にひとつの意味を心がけるのがコツ

よりコンパクトになるよう言い換えも考えてみましょう。

 

主語を省かない

主語を省くのは日本語ではよくあることですが、主語を省略するのは極力控えましょう

必要な主語まで省略してしまうと、読み手が状況を理解しづらくなり、意味が正しく伝わりません。

≪例文≫

【修正前】

昨日、中村くんに同行する予定でしたが、体調を崩していたので取りやめました。

【修正後】

昨日、中村くんに同行する予定でしたが、彼が体調を崩していたので訪問を取りやめました。

必要な主語を省いた例の場合、書き手が体調を崩したのだと思ったのではないでしょうか。

ですが、体調を崩したのは中村くんで、訪問自体も取りやめになったというわけです。

書き手は主語がわかって当然ですが、読み手目線で省いても意味が通じるか確認しましょう。

 

主語と述語をくっつける

主語と述語をくっつけるのもわかりやすい文章の基本です。

主語(誰が・何が など)と述語(~した・~する など)が離れていると、主旨がわかりづらくなります。

主語と述語の間にある文章が長すぎる場合は、冒頭に移す、別の文章にするなどして、主語と述語はくっつけましょう。

≪例文≫

【修正前】

来る3月3日、秋田名物きりたんぽの試食会が、取引先の藤原様のご厚意で、きりたんぽが好物の社長の誕生日に、当社3階の会議室にてお土産付きで行われます。

【修正後】

来る3月3日、当社3階の会議室にて、秋田名物きりたんぽの試食会が行われます取引先の藤原様のご厚意で、きりたんぽが好物の社長の誕生日に実施。嬉しいお土産付きです。

 

修飾語と被修飾語をくっつける

修飾語と被修飾語をくっつけることも意識しましょう。

修飾語とは、文章の詳細を説明したいときに入れる言葉です。

被修飾語とは修飾語がかかる先で、修飾語から離れすぎてしまうと正しい意味を理解しづらくなります。

≪例文≫

【修正前】

荻野は営業部に所属している間、毎日先輩がアポをとった取引先を回った。

【修正後】

荻野は営業部に所属している間、先輩がアポをとった取引先を毎日回った。

修正前の場合、「毎日先輩がアポを取った」のか「毎日回った」のかがわかりません。

被修飾語の「回った」の前に、修飾語の「毎日」を入れたことで、「取引先を毎日回った」ことがはっきりします。

 

読点は適切な位置に打つ

読点をどこで打つか迷ったときは、息継ぎをする位置に入れましょう。

打ちすぎると読みにくくなるので、読点は自然に息継ぎができる位置へ入れるのが適切です。

≪例文≫

【修正前】

先日の、埋め合わせをさせてください。金曜は、早く帰れそうなので、いつもの、レストランで、待っています。

【修正後】

先日の埋め合わせをさせてください。金曜は早く帰れそうなので、いつものレストランで待っています。

 

また、読点の位置によって意味が変わってしまう場合があるので注意が必要です。

≪例文≫

①岡さんは、気に入らない対応をされて先に帰った石川さんを呼び出した。

岡さんは気に入らない対応をされて、先に帰った石川さんを呼び出した。

①の場合、気に入らない対応をされたのは石川さんです。

一方②の場合は岡さんになります。

読点の位置で、意味が正しく伝わらないことがあるので気をつけましょう。

 

重複表現を使わない

メールを送った後に気づきがちな重複表現も使わないようにしましょう

いわゆる「頭痛が痛い」「車に乗車する」といった、意味の被る言葉を重ねて使うことです。

≪例文≫

【修正前】

後で後悔したくないので、賛成が過半数を超えるような提案をする。

【修正後】

後悔したくないので、賛成が過半数に達するような提案をする。

「後で後悔する」は口語でも使いがちですね。

「過半数を超える」も言いがちですが、同じ意味なので「達する」を使いましょう。

 

二重否定を使わない

遠回しに言いたいときに使いがちな「二重否定」もNGです。

否定するワードが続くと、読み手が「本当のところどっち?」と混乱するため避けましょう。

≪例文≫

【修正前】

その日までに提出できないことはありません。

【修正後】

その日までなら提出できます。

 

受動態を使わない

気がつくと使いがちな「~される」と表現する受動態。

ですが、多くの場合は「~する」と能動態にした方が、伝えたいことが明確になります。

読み直して受動態になっていたら、能動態に変えてみましょう

≪例文≫

【修正前】

たくさんの人から利用れている電子マネー。コンビニの支払いでも電子マネーが多くの人に使われています。電子マネーが使用不可に変えられてしまったら、顧客からクレームを入れられるでしょう。

【修正後】

たくさんの人が利用する電子マネー。コンビニの支払いでも電子マネーを多くの人が使います。電子マネーを使用不可に変えてしまったら、顧客はクレームを入れるでしょう。

 

接続詞を削る

接続詞を入れた方がわかりやすい、インパクトがあると、積極的に使う人もいるでしょう。

しかし、接続詞を頻繁に使うと文章がくどい印象になります。

接続詞を省いても意味が通じるなら省略しましょう。

「または」を「か」、「および」を「と」に変えるなどすると、すっきり読みやすい文章になります。

≪例文≫

【修正前】

サイトのイメージカラーについて赤または黄色を考えていますが、貴社のロゴにあわせるなら青および緑がよろしいでしょうか?

【修正後】

サイトのイメージカラーについて赤か黄色を考えていますが、貴社のロゴにあわせるなら青と緑がよろしいでしょうか?

 

指示語を削る

「ここ」「そちら」「あれ」「どこ」など、何かを指し示す役割を持つ指示語(こそあど言葉)は、なくても意味が伝わるなら削るようにしましょう。

代わりに数値を入れて、具体性を持たせるとより良いです。

≪例文≫

【修正前】

このようなアプローチをかければ、その売上は前年より伸びるでしょう。

【修正後】

画期的なアプローチをかければ、前年比3倍の売上が期待できます。

 

修飾語を削る

主語・述語・目的語以外を修飾語といいますが、文章に深みを持たせようとして、修飾語を使い過ぎるのはNGです。

使いがちな修飾語は、以下の通りです。

  • 基本的に
  • じっくり
  • たくさん
  • ~という
  • ~のような

ビジネスシーンでは、意味がわかるなら削りましょう。

≪例文≫

【修正前】

意図がわからないという人は、じっくり資料を読み込んでください。

【修正後】

意図がわからない人は、資料を読み込んでください。

 

箇条書きを使う

伝えることが多いと、一文に多くのことを盛り込もうとしがちです。

しかし、情報が多すぎると文章がわかりづらくなります。

3つ以上の例があるときは箇条書きにしましょう。

≪例文≫

【修正前】

顧客のリピート率を上げるためには、接点を持ち、メリットを付与して、データに基づく施策を展開することが重要です。

【修正後】

顧客のリピート率を上げるためには以下が重要です。

  • 接点を持つ
  • メリットを付与する
  • データに基づく施策を展開する

 

具体的な数字を入れる

曖昧な表現は相手に伝わりにくいです。

可能であれば、具体的な数字を入れていきましょう

≪例文≫

【修正前】

キーワード選定に注力したSEO施策によって、PVが大幅にアップしました。

【修正後】

キーワード選定に注力したSEO施策によって、PVが前年比で120%アップしました。

 

ひらがな・カタカナを多めにする

わかりやすい文章にするには、見た目も重要です。

漢字ばかりでは見た目にも読みにくく、読み飛ばしてしまう人も多いでしょう。

そこで、ひらがな・カタカナを多めにしてバランスをとります

難しい漢字は適度にひらがなにすると、読みやすくなります。

際立たせたい言葉をあえてカタカナにするのも、伝わりやすい文章にするテクニックです。

≪例文≫

【修正前】

先日は有り難う御座いました。営業成績を伸ばす業務に活用します。

【修正後】

先日はありがとうございました。営業成績を伸ばすワザ仕事に活かします。

 

表記揺れをなくす

パパ・父・お父さんなど、同じ意味でも複数の表記方法がある場合、ひとつに統一します。

表記がバラバラ、いわゆる「表記揺れ」がある状態は、読みにくさにつながるからです。

長文の記事コンテンツを作成する際は、表記揺れがないか必ずチェックするようにしましょう。

≪例文≫

【修正前】

兄がパソコンウェブサイトで調べて、美味しいと評判のミカンを買った。けれども、その蜜柑を食べた兄さんはおいしいと思えなかったらしく、PCwebサイト情報はもう信じないそうだ。

【修正後】

兄がPCのwebサイトで調べて、おいしいと評判のミカンを買った。けれども、そのミカンを食べた兄はおいしいと思えなかったらしく、PCのwebサイト情報はもう信じないそうだ。

 

同じ文末が続かないようにする

長めの文章を書いていると、陥りがちなのが同じ文末が続くこと。

  • ~ます。
  • ~でした
  • ~でしょう。

上記の文末のうち、同じものが連続すると、リズムが平坦になったり悪くなったりして読みにくくなります。

同じ文末を使うのは2回までにし、体言止めも適宜入れながら書くようにしましょう。

≪例文≫

【修正前】

昨日は三木さんと飲みました。久しぶりだったので、話が盛り上がりました。今度はみんなで会いたいと思いました。

【修正後】

昨日は三木さんと二人飲み。久しぶりだったので、話が盛り上がりました。今度はみんなで会いたいです。

なお、上記のブログに載せるようなフランクな文章ならいいですが、ビジネス文書で体言止めを使うと軽い印象になるので、多用は避けるようにしましょう。

 

まとめ

良い文章は、読み手がストレスなく理解できることです。

わかりやすい文章を書けるようになると、プライベートでもビジネスシーンでも意思疎通がスムーズになります。

今回紹介した17のコツを取り入れて、文章力アップを目指しましょう!