インプレッションとは、オンライン広告やSNS投稿画面などがユーザーの目に触れた回数のことです。
インプレッション数はWebマーケティングにおいて重要な指標となるため、正しい意味を理解することが大切です。
この記事では、インプレッションの意味、類似用語との違い、インプレッションを増やす方法を解説します。
インプレッションとは
インプレッション(impression)とは、Web広告やブログ記事、SNSの投稿などがインターネット上の画面に表示された回数のことです。
略して「インプ」と呼ばれることもあります。
インプレッションは集客の最初の入り口となるため、リスティング広告やSNS広告などの効果を計測するために重要な数値です。
ちなみに、Twitter(X)では自分の投稿が他の人のタイムラインに表示された回数をカウントしていますが、自分の投稿を自分自身で見た場合も1回として表示回数(インプレッション)にカウントされます。
※参考サイト:Twitter(X)公式
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インプレッションとPV・リーチ・エンゲージメントの違い
インプレッションと混同されやすい用語に、PV・リーチ・エンゲージメントがあります。
ここでは、3つの用語とインプレッションの違いをわかりやすく説明します。
PV(ページビュー)とインプレッションの違い
PV(ページビュー)とは、ページが閲覧された回数のことです。
インプレッションが広告が何回見られたかを表しているのに対し、PVは「広告の有無にかかわらず該当ページが見られた数」を表しています。
たとえば、1ページに広告が3つあるコンテンツが閲覧された場合、PV数は1ですが、インプレッション数は3です。
同じユーザーが同じページを2回見た場合は、PV数は2、インプレッション数は6になります。
リーチとインプレッションの違い
リーチとは、Webページを閲覧した人数のことです。
インプレッションが人数に関係なく広告の表示回数をカウントするのに対し、リーチは「何人に見られたか?」をカウントしています。
たとえば、1ページに広告が3つあるコンテンツが閲覧された場合、リーチは1ですが、インプレッションは3です。
同じユーザーが同じページを2回見た場合、リーチは1のまま、インプレッションは6になります。
エンゲージメントとインプレッションの違い
エンゲージメントとは、ユーザーが広告やSNS投稿に対して「クリック」「いいね」「シェア」など、行動を起こした数のことです。
インプレッションが、たとえユーザーが無関心でも投稿が目に入れば回数にカウントされるのに対し、エンゲージメントは「ユーザーから反応がどのくらいあったか?」をカウントします。
たとえば、Twitter(X)のタイムラインが3人に表示され「いいね」が3つ付いた場合、エンゲージメントは3、インプレッションは3です。
誰もリアクションしなければ、エンゲージメントは0、インプレッションは3になります。
インプレッションと関連深いその他の用語
インプレッションと関連深い用語は他にもあります。
ここでは、フリークエンシー・CTR・CVRについて説明します。
ぜひあわせて覚えておきましょう。
フリークエンシー(頻度)
フリークエンシーとは、1人のユーザーに同じ広告が何回表示されたかを平均値として表した数です。
フリークエンシーが高いと、ユーザーが広告を繰り返し目にするため印象に残りやすくなりますが、頻度が高すぎればしつこく感じてマイナスイメージを持たれてしまう可能性があります。
反対に、フリークエンシーが低く滅多に表示されない広告は新鮮さや特別感がありますが、広告効果は薄くなってしまうでしょう。
フリークエンシーは、目的やターゲットにあわせて最適なバランスに設定する必要があります。
CTR(クリック率)
CTR(クリック率)とは、インプレッション数に対して広告がクリックされた回数の割合のことです。
CTRが高ければ、広告に魅力を感じ「もっと詳しく知りたい」とクリックしたユーザーが多いことがわかります。
反対にCTRが低かった場合、広告がユーザーの心に響かなかったサインなので、ニーズの見直しや広告デザインなどを改善する必要があるでしょう。
CVR(コンバージョン率)
CVR(コンバージョン率)とは、広告の訪問者が成果につながる行動をした件数の割合のことです。
成果につながる行動とは、広告主が設置した「購入」「問い合わせ」などのボタンを押し、広告としての最終目的を達成することです。
CVRの数値が高ければ、ユーザーが商品やサービスに必要性を感じ、訴求内容に納得したことがわかります。
CVRが低いと、広告に興味があってクリックしたものの決定打に欠けていたため購入に至らなかったということなので、離脱原因を分析することが大切です。
インプレッションを増やすメリット
インプレッションは広告効果を算出するための数値ですが、そもそもインプレッション自体を増やすメリットはあるのでしょうか。
ここでは、インプレッションを増やす具体的なメリットをお伝えします。
見込み客を発掘できる
インプレッションを増やす大きなメリットは、潜在層である見込み客を多く獲得できることです。
広告はたくさんの人に知ってもらってこそ効果があります。
商品やサービスの存在を広くアピールできるのはもちろん、ユーザー自身が認識していなかった潜在ニーズを刺激することもできるでしょう。
インプレッションの増加によって多くのユーザーの興味を引きつけ、商品やサービスの認知度を高められるのです。
コンバージョン増加につながる
インプレッションが増えると、広告の最終目的であるコンバージョン増加につながります。
CVR(コンバージョン率)の平均値は業界や商品により異なりますが、およそ3%前後といわれています。
さらにCVRの手前に位置するCTR(クリック率)の平均値は、リスティング広告で2~6%ほど。
たとえば、インプレッション数が100の場合、CVRは0.06~0.18となり、コンバージョンは実質0になってしまいます。
しかし、インプレッション数が10000あれば、CVRは6~18と大幅に増えるでしょう。
分母となるインプレッションを増加させることで、コンバージョンも比例して増えやすくなるのです。
データ分析がしやすくなる
インプレッションの増加は、広告効果を測定する際のデータ分析がしやすくなるメリットもあります。
計算の大元となるインプレッション数が少なければ、クリック数やコンバージョン数も小さくなってしまいます。
コンバージョンが0や1ではユーザーの傾向をつかめず、広告が問題でクリックされなかったのか、クリック先のLP(ランディングページ)の問題で離脱したのかを見極めるのが難しくなるでしょう。
インプレッションが増えれば高精度のデータ分析が可能になり、最適な対策を打ち出せます。
Webマーケティング初心者にとって、LP(ランディングページ)という言葉は聞き慣れないかもしれません。LPとは、ユーザーが初めて訪れたWebページ、もしくは1ページに商品紹介をまとめたページのことです。LPはWeb広告やキャ[…]
Web広告のインプレッションを増やす方法
リスティング広告やSNSなどのWeb広告を運用するうえで、インプレッションを増やすことは重要な課題です。
たくさんの人に広告を見てもらえれば認知度が上がり、そのぶん成果につながりやすくなります。
そこで、インプレッションを増やすための3つの方法を紹介します。
広告出稿の予算(入札単価)を上げる
インプレッションを増やすには、広告出稿にかける予算を引き上げるのが効果的です。
とくに、GoogleやYahoo!の検索結果に表示されるリスティング広告は、入札単価を高くしたほうが優先的に広告が表示されます。
ただし、品質の低いコンテンツは入札単価を上げたとしても優先順位は上がりにくいです。
まずは、コンテンツをしっかり作り込んでから入札単価の変更を検討してください。
予算が少なければできる対策は限られてしまいますが、コストをかければ有利になり、インプレッションを増やせるでしょう。
競合に勝てるキーワードを選び直す
競合他社に勝てる穴場のキーワードを選ぶのも、インプレッションを増やすコツです。
人気の高いキーワードで勝負すると、どうしてもライバル企業が多くなり倍率も高くなります。
また、多額の広告費を投入できる資金力のある競合他社がいれば、通常の戦略で勝ち続けるのは難しいでしょう。
過酷な競争下で差別化をはかるためには、競合性が低くかつ検索ボリュームがほどよく多いロングテールキーワードを狙うのがおすすめです。
広告を出している媒体を見直す
インプレッションを増やすには、広告を掲載しているメディアの見直しも視野に入れましょう。
年齢や性別など、より広告内容にマッチした媒体に変更することで、新たなユーザーの取り込みが可能になります。
Twitter(X)やInstagramなどのSNS広告を出すのであれば、ターゲットにあわせた配信時間に設定したりエリアを絞ったりするのもインプレッション増加に有効です。
まとめ
インプレッションとは、広告がユーザーの目に触れた回数のことで、広告の露出度や認知度を測るのに役立つ指標です。
インプレッションと混同しやすい用語に、PV・リーチ・エンゲージメントがありますが、それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
インプレッションが増えると、コンバージョンが増加したりデータ分析が正確になったりするメリットがあります。
インプレッションを増やすためには、広告予算を上げる、キーワードや配信媒体を見直すなどの方法が効果的です。
インプレッションについて正しく理解し、Webマーケティングで上手に活用していきましょう!