ロジックツリーとは、問題を論理的に分解して整理していく方法のひとつです。
ロジックツリーを活用すれば、全体像がハッキリし、最短で原因や具体策を見つけられるようになります。
この記事では、ロジックツリーの作り方、ロジックツリーの種類や具体例、おすすめの作成ツールを紹介します。
ロジックツリーとは
ロジックツリーとは、複雑な問題や課題を分解し、ロジカル(論理的)に分析するためのフレームワークです。
ロジックツリーは枝分かれする図で表現され、問題を階層的に分けていくことで具体的な解決方法を導き出します。
合理的な結論が得られるため、さまざまな要素が複雑にからみあった問題の解決に大いに役立ちます。
ロジックツリーのメリット
ロジックツリーは、思考を可視化するツールとしてビジネスで役立ちます。
ロジックツリーを活用すると、どのようなメリットがあるのかみていきましょう。
全体像がハッキリする
ロジックツリーを完成させると、問題の全体像がハッキリとわかります。
ロジックツリーは、問題の要素を大きい枝から小さい枝へと分けて構造化していきます。
さまざまな情報を言語化し、理路整然とつなげていくことで、抽象的な問題の全容がひと目で把握できるようになるのです。
原因特定や具体策が最短で見つかる
ロジックツリーには、原因特定や具体策が最短ルートで見つかるメリットがあります。
ロジカルシンキングによって要素をひとつずつ深堀りしていくため、素早く解決の糸口をつかめるのです。
ロジックツリーが完成すれば、問題解決に向けていち早く実行に移せるでしょう。
優先順位をつけやすくなる
ロジックツリーで導き出す結論は、ひとつとは限りません。
複数の具体策があっても、矛盾なく整合性のとれたロジックツリーなら優先順位をつけやすくなります。
- もっとも効果的な解決策はどれか?
- 人員・コストがかからない方法はどれか?
- 今すぐできる対策はどれか?
上記のように、重要度・緊急度を判断したうえで、効率的な戦略が立てられます。
ゴールまでの道筋を共有できる
ゴールへの道筋をチームメンバーに共有できるのも、ロジックツリーの大きな利点です。
ロジックツリーは複雑な問題が見える化されるため、現状の課題からゴールまでのロードマップが浮き彫りになります。
複雑でわかりにくい内容も、地図代わりのロジックツリーを見せればプロセスは一目瞭然です。
担当の社員も、自分の立ち位置やミッションの重要性を理解しやすく、プロジェクトがスムーズに進むでしょう。
ロジックツリーの種類&具体例
ロジックツリーには4種類あり、目的に応じて使い分ける必要があります。
ここでは、4つのロジックツリーの種類や使い方、具体例を紹介します。
【Whyツリー】原因追求
Whyツリーは、問題の原因を追求したいときに使うロジックツリーです。
問題を「なぜ?」という質問で掘り下げていき、根本的な原因を特定します。
Whyツリーの具体的な使い方としては、以下の例があります。
「なぜ?」を繰り返すことで、原因追究ができるでしょう。
【Whatツリー】要素分解
Whatツリーは、問題の要素を分解したいときに使うロジックツリーです。
課題について「何がある?」という質問で掘り下げていき、全体的な構成要素を網羅します。
Whatツリーの具体的な使い方としては、以下の例があります。
「何がある?」を繰り返すことで、問題の要素を分解できます。
【Howツリー】問題解決
Howツリーは、問題を解決したいときに使うロジックツリーです。
問題を「どのように?」という質問で掘り下げていき、具体的な解決法を導き出します。
Howツリーの具体的な使い方としては、以下の例があります。
「どのように?」を繰り返すことで、問題解決法が見つかるでしょう。
【KPIツリー】数値化
KPIツリーは問題を数値化したいときに使うロジックツリーです。
厳密には「Howツリーの精密版」で、具体的な数字を落とし込んだツリーです。
KPIとは重要業績評価指標のことで、最終目標であるKGI(経営目標達成指標)の中間目標にあたります。
KPIツリーの具体的な使い方としては、以下の例があります。
ここでのKGI(最終目標)は「3ヵ月で3kgやせたい」です。
KGIから枝分かれを繰り返した「ジョギング1日◯分」の数値目標が、KPI(中間目標)になります。
中間目標であるKPI「ジョギング1日◯分」「腹筋1日◯回」をクリアすると、必然的に最終目的であるKGIを達成できるプランになっているのです。
ロジックツリーの作り方
ここでは、ロジックツリーの作り方・ポイントを手順に沿って解説していきます。
①左から右に向かって具現化していく
ロジックツリーは、左から右に向かって展開させていくのが基本です。
まず一番左側に、現在抱えているもっとも大きなテーマを設定してください。
その右側に、問題を構成している具体的な要素・原因・解決策などをどんどん書き出していきます。
ロジックツリーが右に枝分かれしていくにつれ、抽象的な事柄が具現化されていきます。
②具体策が見つかるまで掘り下げる
ロジックツリーは通常、第4~5階層くらいまで掘り下げると、具体的なアクションプランが見えてきます。
しかし、問題によっては「ある程度掘り下げても解決策が見えてこない…」ということもあるでしょう。
そのような場合は、第6階層以降もさらに掘り下げてみてください。
ロジックツリーに決まった形はないため、実行可能な具体策が見つかるまで根気よく考察することが大事です。
③仮説を立ててみる
ロジックツリーの作成に行きづまったら、事実だけではなく根拠に基づいた仮説を立てるのもアリです。
「こうではないか?」と仮説を立て、データ検証をすることで、多角的で精度の高いロジックツリーが作れます。
④MECE(ミーシー)になっているかを意識する
ロジックツリーの要素をすべて洗い出したら、MECEになっているかをチェックしてみてください。
MECE(ミーシー)とは、Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字の略で、「見落としなく重複せず」という意味です。
抜けやダブりがないかを意識することで、整合性のとれた論理的なロジックツリーが完成します。
ロジックツリー作成のおすすめテンプレート(ツール・アプリ)
ロジックツリーの作成は手書きでも構いませんが、作成ツールを使うとより便利です。
ここでは、ロジックツリー作成におすすめのテンプレート付きツール・アプリを紹介します。
【無料】Office系ソフト(Excel・PowerPoint)
Office系ソフトが入っていれば、Excel(エクセル)やPowerPoint(パワーポイント)でロジックツリーを作成できます。
Excel・PowerPointともに、以下の方法でロジックツリーのテンプレートを利用できます。
- 挿入
- SmartArt
- 階層構造
- 横方向階層
- テキスト入力
- レベル下げ(またはTabキー)で階層を増やす
ExcelやPowerPointは、色・形・線などのデザインをカスタマイズできるため自由度が高いです。
オフィスソフトに慣れている人であれば、気軽に使いやすいでしょう。
【無料版/有料版】Xmind(エックスマインド)
Xmindはマインドマップ作成ツールとして有名ですが、ロジックツリーを作るのにも使えます。
Xmindはトピックを自由に追加・削除できるため、ロジックツリーの枝分かれを柔軟に変更できます。
直感的に使えるので初めて使う人にもおすすめです。
【無料版/有料版】Mindomo
Mindomoはオンラインのロジックツリー作成ソフトで、ブラウザやスマホのアプリで編集でき、どこからでもアクセスできるのが特徴です。
テンプレートが豊富で、エクスポート形式も充実しているため、チーム内でロジックツリーを共有したい人におすすめです。
まとめ
ロジックツリーは、複雑な問題や課題を分解し、整理するためのフレームワークです。
ロジックツリーにより全体像が可視化され、原因や対策が最短で見つかったりメンバーに共有しやすくなったりなどのメリットがあります。
ロジックツリーを作るときは、MECEになっているか常に意識し、仮説・検証を取り入れつつ具体的に掘り下げていくのがポイントです。
ロジックツリーを活用して問題をロジカルに解決しましょう!