ペルソナとは?マーケティングにおけるペルソナの意味やメリット・設定のコツ

ペルソナの設定はマーケティングにおいて欠かせません。

ペルソナとは対象商品やサービスの顧客モデルのことです。

マーケティング初心者は、ペルソナの意味や設定するメリットをしっかり把握しておく必要があります。

ペルソナ設定のコツを掴めば、商品やサービスなどの売上拡大につながるマーケティングに一歩近づけるはずです。

この記事では的確なペルソナを設定する方法を解説します。

 

ペルソナとは|ビジネスの基礎知識

まずは、ビジネスの基礎知識として知っておきたいペルソナについて説明します。

なんとなくわかるという人も改めてチェックしてみてください。

マーケティングにおけるペルソナの意味

マーケティングにおける「ペルソナ」とは、対象となる商品やサービスの典型的な顧客モデルのことを指します。

ペルソナは元々心理学者のユングが提唱した心理学用語です。

「周囲に見せる自分」=「外的側面」がペルソナと定義されています。

語源はpersona(仮面)です。

ターゲットとペルソナの違いは?

マーケティング用語として、ペルソナよりも知られているのは「ターゲット」でしょう。

ペルソナの意味を知ると、ターゲットと混同しそうになるかもしれません。

ですが、両者の概念は下記の通り異なります。

【ターゲット】

・見込み客の集団的な属性(性別・年代・職業など)

【ペルソナ】

・ターゲットを掘り下げて、実在する人物のごとく特徴を詳細にした架空のユーザー像

ターゲットとペルソナの違い

ターゲットでは「女性・30代・会社員」のように広くて浅い集団的な属性を、ペルソナではターゲットをもとに狭く深い架空の個人を設定します。

ペルソナを設定するメリット

ターゲットだけではなく、それを掘り下げたペルソナも設定するとメリットがあります。

どのようなものがあるのか確認してみましょう。

メンバー内で人物像の認識が一致する

商品やサービスを開発したり売り出したりする際は、多くの人が関わります。

そのため、広く浅いターゲットの設定だけでは、一人ひとりのイメージする見込み客にギャップが生じます

たとえば、冷凍ハンバーグの新商品を作るとして、「30代女性がターゲット」とだけ設定した場合。

 

  • 昼食を小さい子どもと一緒に食べる30代の女性を想定
  • 独身で夕食はちょっと贅沢したい30代の女性を想定

 

この二者では、「どんな味付けにするか」「どんな売り文句に惹かれるか」などが異なるはずです。

細かい認識をすり合わせずに、各々がイメージする人物像をもとに進めていくと、極端な話、「子ども向けの味付けなのに、パッケージは大人向け」といった、マイナスなギャップのある商品が出来上がるかもしれません。

 

そこで、ペルソナを設定すれば、プロジェクトチーム全体で商品やサービスを利用する人物像を一致させることができます。

ペルソナに「メグミさん」などと名前をつけて外見のイメージも決めると、その存在がメンバーにとってより身近になります。

「メグミさんはこの価格帯では買わない」「このキャッチコピーが刺さりそう」など、具体的な意見のすり合わせや戦略の組み立てがしやすくなるでしょう。

ユーザーニーズが明確化する

ペルソナを設定する際は、ユーザー像の生活習慣や1日の行動まで細かく決めていくことが肝となります。

そうすると、いつ、どんなときに、どんな風に商品やサービスを利用するか、行動心理が想像でき、ユーザーニーズの明確化が可能になります。

ユーザーニーズがわかれば、打ち出すべきポイントがわかり、広告展開もしやすくなるでしょう。

いくらターゲットを細かく設定しても、集団的な属性は変わらないため、行動心理まで想像することは難しいものです。

価値観の多様化が進む昨今、ユーザーの心の動きを細かく読んでいかないと、数ある商品やサービスから選ばれるものにはならないでしょう。

精度の高いマーケティングでコスト削減になる

身近に実在する人物のようにペルソナを細かく設定し、そのニーズに沿うような商品やサービスを考案すると、多くの人のニーズに合致しやすくなります。

つまり、精度の高いマーケティングができるということです。

世に出してみたものの実際のニーズと合わず、商品のスペックや広告展開を再考するようなことになればコストがかさみます。

ペルソナの設定はコスト削減につながる可能性があるのです。

ペルソナ設定をするときのコツ・注意点

ペルソナ設定をするときのコツ・注意点

ペルソナを設定する際は、架空の人物を漫然と作り上げていくだけでは効果的に働きません。

精度の高いペルソナにするために、設定するときのコツや注意点をおさえておきましょう。

理想や思い込みはNG!データを活用して設定する

「20代の女性は洋服代にお金をかけている」「60代の男性はお酒を飲む人が多い」など、「そうであってほしい」という理想や「きっとそうでしょう」という思い込みでペルソナを設定するのはNG

ユーザーニーズとの隔離を生み出すだけです。

ペルソナは、机上の空論ではなく一次情報を集めて設定していくようにしましょう。

一次情報とは、ユーザーの実態がわかる情報のこと。

アンケートを取ったり、ヒアリングをしたりして「実在する声」を集めます。

それをデータ化して、多くの人にとっての「典型的なこと」を明らかにしていくのです。

ペルソナに「実際のこと」を反映していくと、多くの人のニーズに応える商品やサービス、心を掴む広告づくりの方向性が明確になっていきます。

家族や友人などリアルな人物を参考にする

ペルソナは実在する人物のごとく設定していくことがポイントなので、家族や友人などリアルにいる人物を参考にするのもおすすめです。

行動やそれにともなう心理を細かく知るチャンスがあり、ペルソナの肉付けがしやすくなるでしょう。

要素を絞ってシンプルな人物像にする

細かく人物設定をしようとすると、どうしても複雑になりがちです。

多くの人の情報からひとりのユーザー像を作るわけですから、あれもこれもと要素をピックアップしたくなるのはわかります。

ですが、重要でない要素に引っ張られて、マーケティングが失敗することがあります。

要素を絞ってシンプルながら具体性のある人物像を設定することが大切です。

ペルソナのイメージ画像を作成する

ペルソナは文字情報だけでなくイメージ画像もあると、メンバー間の認識を統一しやすいです。

服装や髪型などにもこだわったイメージ画像を作成しましょう。

その人物像の生活がイメージできる動画を作成するとよりよいです。

定期的にペルソナ設定をアップデートする

情勢が変わると、人々の生活や優先したいことも変わります。

それによりニーズが変わったら、ペルソナも設定し直さなければなりません。

売上に貢献したからといって、いつまでも同じペルソナで商品づくりや広告展開を続けていては、ニーズとのズレが広がっていきます。

定期的に世の中のニーズを拾い上げ、ペルソナをアップデートしていくのが大事です。

ペルソナの基本的な設定方法

ペルソナの基本的な設定方法

それでは、ペルソナの基本的な設定方法を紹介します。

商品やサービスのヒットや売上拡大を目指しましょう。

【ステップ1】アンケートやSNSで客観的データを集める

まずは、客観的なデータを集めるために、アンケートやSNSを通した情報収集などを実施します。

「子育て中の30代女性」のように、ある程度のターゲットが決まっているなら、そこに絞って行います。

店頭のように対象者と直接話せる場でアンケートをとるなら、もっと深掘りするためにヒアリングもするとよいでしょう。

また、すでにリリースしている商品やサービスなら、SNS上での反応(いいねの数など)をデータ化するのも有効です。

BtoBの場合は、お客様である企業側の担当者と直接話す機会のある営業担当にヒアリングすることでも、データが得られるでしょう。

【ステップ2】データ分析をしてペルソナ設定に必要な要素を絞る

次に集めたデータを分析していきます。

年齢や性別、家族構成といった基本情報だけでなく、ライフスタイルや価値観といった掘り下げた部分でもグルーピングします。

その中から、多くの人に共通している、かつ商品やサービスと関連性が強い要素に絞りましょう。

【ステップ3】ペルソナを完成させる

要素を絞ったら、ペルソナを完成させるべく、情報をまとめていきます。

その際、以下のような項目を埋めていく形にするとよいでしょう。

  • 性別
  • 年齢
  • 職業(役職・雇用形態)
  • 年収
  • 最終学歴
  • 住んでいる場所
  • 家族構成(既婚・子どもの有無)
  • 人間関係
  • 1日のスケジュール
  • 趣味
  • 興味のあること
  • よく見るSNSやサイト
  • 情報収集に使うデバイス
  • 悩み
  • 時間やお金をかけていること など

大切なのは「こういう人」というイメージが具体的に浮かぶこと。

実在する人物の情報を書き出したかのようにまとめていきましょう。

ペルソナが完成したら、この人物を惹きつけるような商品・サービス開発や広報・宣伝活動を進めましょう。

ペルソナを完成させるためにはそれなりの労力がかかりますが、ペルソナ作成ツールを使えばデータ分析やペルソナの資料作成などを効率的に行うことができます。

「ペルソナ設定が大事なことはわかるけれど、時間も人手も足りない…」という状況なら、便利なツールを積極的に使用して、効率的に進めましょう。

無料ツールもあるので、まずは試しに使ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

ペルソナとは、対象となる商品・サービスの典型的な顧客モデルのことです。

ペルソナの設定は、ユーザーのニーズを把握するために有効な手段です。

今まで、ターゲットの設定にとどまっていたなら、もっと具体性を持たせてペルソナを設定し、よりユーザーに寄り添った考え方ができるようにしましょう。

マーケティングをしても、思うように商品やサービスの売上につながらないなら、ペルソナ設定を試してみるべきです。

ペルソナを設定する際は、想像や思い込みではなく、データにもとづいて設定することを忘れないようにしましょう。

ペルソナとした人物が興味を持つような商品やサービスの開発をすれば、多くの人の心を掴めるはずです。