SEOについて学ぶ際、必ず出てくるワードがサジェストです。
サジェストとは、Googleなどの検索エンジンの検索窓に調べたいキーワードを入れた際、次に入力するワードの候補を表示する機能です。
この記事ではサジェストの仕組みや、サジェスト機能をSEOに活用する方法を解説します。
ぜひ業務にお役立てください。
サジェストとは
サジェストとは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索窓にメインキーワードを入力すると、「キーワード 候補ワード」という形で、候補を提示してくれる機能を指します。
ユーザー目線で、検索したかったワードがちょうど出てくるので「入力する手間が省ける」と便利に思ったことがある人は多いでしょう。
この候補ワードは、検索エンジンのユーザーが実際に入力したワードをもとに、検索数が多いものを基本的に表示します。
つまり、サジェストからユーザーのニーズがわかるのです。
Webサイトに新規コンテンツを追加しようと考えているとき、サジェストに基づいた内容にすれば、自ずとユーザーの求めるコンテンツが作れるということになります。
Google検索のサジェストキーワードが表示される仕組み
多くの人が利用するGoogle検索の場合、サジェストワードはどのような基準で表示されるのでしょうか。
仕組みを詳しく見ていきましょう。
過去1ヶ月の検索ボリューム
サジェストで表示されるワードは検索ボリュームと関連があります。
検索ボリュームとは、検索エンジンでそのワードが検索された回数を指し、通常は月間の検索数です。
Googleは、検索ボリュームが多いワードはユーザーが知りたいことだと判断します。
そのため、サジェストワードを提示することで、入力する手間が省けるようにし、少しでも楽に知りたい情報に辿り着けるようにしているのです。
ユーザーの位置情報
検索ボリュームの大きさだけがサジェストに表示される基準ではありません。
検索をかけているユーザーが今どこにいるのか、その位置情報も踏まえてサジェストワードは提示されます。
例えば品川にいるとき、近くの郵便局を調べるために「郵便局」と検索窓に入れたとします。
それなのに、検索ボリュームが多いからといって「郵便局 新宿」がサジェストされたのでは意味がありません。
現在地と絡めた情報が求められることの多いキーワードの場合、ローカル情報を提示するのが最適とされ、結果に反映される仕組みになっているようです。
ユーザーの検索履歴
ユーザーの検索履歴がサジェストに反映されるケースもあります。
検索したワードには関心があるとGoogleが判断するからです。
トレンド性の高さ
検索した時点で話題になっていること、例えばニュースやイベントなどトレンド性の高いことも、入力したキーワードのサジェストに上がりやすいです。
その時々のトレンドはユーザーの関心事で、情報を求める人が多いとGoogleが考えるからです。
ただ、トレンド性の強いワードは瞬間的に求められるものであるため、長期間サジェスト候補に上がることはないでしょう。
【要注意】サジェスト汚染って何?
サジェストについて調べていると「サジェスト汚染」という言葉に行き当たるはずです。
会社自体や、自社の商品、サービスがサジェスト汚染の対象になると、売上が落ちるといった悪影響を受ける可能性があります。
そのため、注意すべきサジェスト汚染についても確認しておきましょう。
サジェスト汚染とは
サジェスト汚染とは、会社名や商品名、サービス名といった商標を検索窓に入力すると、「事件」「裁判」「詐欺」「効果ない」といったネガティブワードが表示されることです。
事実であるなしに関係なく、検索ボリュームが上がれば起こり得ます。
サジェスト汚染の原因
たとえば、「〇〇サービス 詐欺」と検索する人が一定数以上いたとします。
すると、Googleは「ユーザーニーズがある」と判断するため、サジェストワードに上がってしまいます。
「〇〇サービス 人気」のような、ポジティブなサジェストワードが一緒に表示されても、ユーザー心理として、クリックする人が多いのはネガティブな方でしょう。
クリック数が増えると、Googleの「ニーズがある」という判断は強くなり、より一層サジェストに表示されるようになってしまいます。
このように、サジェスト汚染が起こる原因のひとつは、ネガティブワードがサジェストされやすいことにあります。
ユーザーに「〇〇サービス 詐欺」のようなネガティブワードを検索させるきっかけは、故意に作り出すことが可能です。
例えば、ネット上の掲示板やSNSへ大量にネガティブワードを書き込めば、興味を持ったユーザーが一気に検索します。
その結果、サジェストに表示され、サジェストからクリックする人が増えて……という状況に陥り、サジェストにネガティブワードが居座ることになります。
たとえ事実と反するネガティブワードでも、サジェスト汚染が起こり、多くの人の目につくようになれば、まるで本当のことのように知れ渡ってしまうのです。
サジェスト汚染の消し方
事実無根でも企業の信用を著しく落とす可能性のある、やっかいなサジェスト汚染ですが、ネガティブワードをサジェストから消す対策はいくつかあります。
①サジェスト削除申請を行う
ネガティブワードがGoogleの定める「不適切な検索候補」に当たる場合は、削除申請を行いましょう。
申請すれば必ず削除されるわけではなく、Google側での精査はあります。
ですが、冒涜的、差別的、危険といった要素のあるサジェストワードなら、申請することをおすすめします。
なお、申請が認められて消えるのはサジェストワードのみです。
そのネガティブワードの飛び先となるコンテンツが消えるわけではないので、存在する限り、ネガティブな情報が拡散する可能性があります。
②ネガティブな情報の出元に削除を依頼
ユーザーが検索するきっかけや、検索したユーザーの受け皿となる、ネガティブな情報を掲載しているサイトや掲示板の管理者に情報の削除をお願いするのもひとつの方法。
サジェスト汚染の根本的な原因を断つことができるからです。
該当サイトや掲示板に、問い合わせフォームやメールアドレスが掲載されているなら連絡してみましょう。
③弁護士に相談
自ら対応するのが不安なら、インターネット関連のトラブルに精通している弁護士に相談しましょう。
独自の削除ガイドラインを設けているインターネットサービスもあるので、そのルールにのっとった上で、法律に基づき対応してもらえます。
費用はかかりますが、訴訟になったときには特に心強いでしょう。
④業者へ依頼
検索ボリュームが多いワードをサジェストに表示するというGoogleの特性を活かし、ネガティブワードよりもポジティブワードの検索数を増やすという汚染対策があります。
その方法を代わりに実施してくれる業者に依頼することも検討しましょう。
【SEO対策】サジェスト機能の活用方法&注意点
サジェストはWebマーケティング施策のひとつであるSEOに活かすべき機能です。
具体的な活用方法と注意点を確認しましょう。
活用方法①キーワード選定に活かす
サジェスト機能で表示されるワードは、知りたいニーズがあるワードです。
そのため、SEO施策込みでコンテンツを作るときのキーワード選定に活かせます。
選定する際は、サジェストワードを一気に抽出できるツールを使うと効率的です。
ユーザーの検索意図が同じと思われるサジェストワードをまとめ、分類し、そこからコンテンツのメインキーワードを選定するといった作業がしやすくなります。
ツールによっては、サジェストワードごとの検索ボリュームがわかるものもあり、ボリュームの大きいものをキーワードに選び、コンテンツを制作するといったことが可能です。
活用方法②リライトに活かす
サジェストワードをもとにコンテンツを作っても、ユーザーの知りたい情報は変化していきます。
ユーザーの検索意図から外れたコンテンツが順位を落としていくことはよくあります。
そのようなときは、改めてサジェストを抽出し、ボリュームが大きくユーザーニーズがあると思われるサジェストワードをピックアップしましょう。
それをコンテンツに含めてリライトをかけると、Googleから再評価を受け、順位が上がる可能性があります。
【注意点】SEO対策はシークレットモードで検索を!
SEO対策のためにサジェストを確認するなら、シークレットモードが鉄則です。
前述のとおり、Googleのサジェストは過去に検索したワードも反映されます。
このパーソナライズド検索が影響すると、ユーザーが一般的によく検索するワードを正確に掴めなくなります。
そのため、パーソナライズド検索の影響を受けない、シークレットモードで検索しなければならないのです。
- Chromeのブラウザで、右上の三点リーダーから「新しいシークレットウィンドウ」をクリックすれば、シークレットモードを設定できます。
- キーボードの「Ctrl+Shift+N」でも設定可能です。
サジェストキーワードが一括抽出できる便利ツール4選
サジェストキーワードを効率的にピックアップしたいときは、一括抽出できるオンラインツールを使用しましょう。
便利なおすすめツールを4つ紹介します。
【無料ツール】Keyword Tool
Keyword Toolは、無料版でもトップページの検索窓にキーワードを入れれば、1キーワードにつき最大750個のサジェストワードを抽出できます。
抽出されるワードには、複数のキーワードが組み合わさった、検索ボリュームの少ない「ロングテールキーワード」も含まれます。
ですが、そのキーワードで作ったニッチな記事が、他キーワードの検索結果で上位に来ることもあるので、そのようなワードを探すために利用するのもよいでしょう。
【無料ツール】ラッコキーワード
ラッコキーワードも、サジェストワードを無料で一括取得できる便利なツールです。
表示されたサジェストワードで気になるものをクリックすれば、その検索結果ページに飛ぶことができ、上位サイトをすぐにチェックできます。
また、URLで検索をかけ、そのサイトがどのようなキーワードで検索結果の上位を取っているか調査することも可能。
競合サイトが上位を獲得しているワードは、ユーザーニーズがあるということなので、コンテンツを作る際の候補にしてよいでしょう。
ほかにも、
- キーワードにおける記事タイトルの提案
- キーワードに対する上位20サイトの見出し、共起語の抽出
- Q&Aサイトのキーワードに関連する質問の抽出
など、コンテンツ作成に役立つ機能が揃っています。
【有料ツール】Ahrefs(エイチレフス)
全世界で60万人超えとSEO関連ツールとしては屈指のユーザー数を誇るAhrefs(エイチレフス)。
有料ツールですが、サジェストワードの抽出のほか、
- 被リンクの分析
- 対象サイトが獲得しているキーワードの順位変動
- Xなどのソーシャルメディアで拡散されやすいコンテンツの傾向
などが調べられます。
有料プランは4つあり、登録可能なサイトやキーワードの数が異なります。
【有料ツール】tami-co(たみこ)
tami-coは、SEOサイトの運営に必要な機能を備えた「オールインワンSEO分析ツール」です。
サジェストだけではなく、検索ボリュームを抽出することも可能。
競合サイトが上位を取っているキーワードや、順位の変動も確認できます。
作成した記事のタイトルを採点できたり、見出しに入れるとよいキーワードが提示されたりと、SEO初心者が悩む部分をカバーしてくれます。
4つの有料プランから選ぶことになりますが、機能の充実度は数あるツールの中でも指折りです。
まずは7日間の無料トライアルを利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
サジェストとは、検索エンジンの検索窓にキーワードを入れると次のキーワード候補が自動表示される機能です。
サジェスト機能は上手く使えばSEO対策に大いに役立ちます。
仕組みを理解して、ユーザーニーズを知り、キーワード選定やコンテンツ作りに活かしましょう。
キーワードごとのサジェストを実際に検索エンジンで検索し、まとめていくのは手間がかかります。
自社ホームページのSEO施策を本格的に行うなら、サジェストワードの抽出が容易にできるツールを利用しましょう。